[シドニー 19日 ロイター] - 豪連邦統計局(ABS)が発表した10月の雇用統計によると、就業者数は前月比17万8800人増と、予想外にプラスに転じた。ただ、求職者も増加する中、失業率は7.0%に上昇した。
人口が2番目に多いビクトリア州での新型コロナウイルス関連規制の緩和が就業者数の増加につながった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は、就業者数が3万人減、失業率は7.2%だった。9月は就業者数が減少していた。
ABSの雇用関連統計の責任者、ビョルン・ジャービス氏は、10月の大幅増の結果、就業者数は3月をわずか1.7%下回る水準まで回復したと指摘。労働市場に多くの人が復帰したことを反映していると説明した。
政府から支給金を受け取る場合は積極的な職探しが義務付けられているため、労働力人口は今後さらに拡大するとみられる。
オーストラリア準備銀行(豪中銀)は雇用創出が国の優先事項だとし、利下げや量的緩和策で景気を支援しており、政府も財政刺激策を打ち出してきた。コロナ流行を受けた3月から5月までの全土ロックダウン(封鎖措置)の期間中に就業者数は87万2000人減ったが、それ以降に64万人8000人増えている。
BISオックスフォードのエコノミスト、サラ・ハンター氏は「公衆衛生面での成果や財政・金融支援策が全て、経済活動の回復を促進していることが今回のデータで明確になった」と指摘。サウスオーストラリア州の6日間のロックダウンで感染拡大が阻止され、コロナが抑制された状況が続くという前提を置けば、景気回復は来年まで続く見通しだと語った。
*内容を追加します。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201119T010941+0000