[東京 19日 ロイター] - 日本に司令部を置く米海軍第7艦隊のウィリアム・マーズ司令官は、日豪が防衛協力を強める「円滑化協定(RAA)」締結で大枠合意したことに歓迎の意を表明した。
菅義偉首相と来日したオーストラリアのモリソン首相は17日会談し、自衛隊とオーストラリア軍が訓練のために相互訪問する際などの法的枠組みを定める円滑化協定に大枠で合意した。
司令官はブリーフィングで「このような協定は非常に有意義で、地域の全関係者を勇気付けるものだ。われわれは同協定を強く支持しており、日豪との演習を待ち望んでいる」と述べた。
南シナ海や東シナ海での中国の活動を巡る懸念が高まる中、日豪は、米国、インドとともに「クアッド」と呼ばれる4カ国の枠組みの一環として連携を強化している。
第三海兵遠征軍司令官および在日米軍沖縄地域調整官のH.ステーシー・クラーディ中将とともに会見したマーズ司令官は、域内での連携強化は中国を標的にしたものではないと説明。「中国や他国の抑止を目的とした試みはない。われわれはインクルージョン(包摂)の環境を作り出そうとしている」と述べた。
中国は域内での自国の意図は平和的だとし、クアッドを「ミニ北大西洋条約機構(NATO)」だと批判している。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は17日、日豪のRAA大枠合意について、米国が「アジア版NATOの構築を推進するため、アジア太平洋地域の頼みの綱である2国を利用している」と批判した。
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