[ワシントン 19日 ロイター] - トランプ米政権で新型コロナウイルスワクチン配布に向けた取り組みを担う当局者らは、バイデン次期大統領の政権移行チームに説明を行っておらず、今後もそうする計画はないという。同当局者らとの会議後、民主党のクリス・マーフィー上院議員が明らかにした。
マーフィー氏は、ツイッターへの投稿で「トランプ政権のワクチン配布チームと電話会議を終えたところだ。彼らはバイデン氏のチームの誰にも説明をしておらず、そうする計画もないことを確認した。これは致命的なことになりかねない」と述べた。
議会関係者によると、米政府の新型コロナウイルス開発促進策「オペレーション・ワープ・スピード」プログラムの主要ポストを務めるギュスターブ・ペルナ陸軍大将とモンセフ・スラウイ氏が、19日午前に全ての上院議員を対象に電話会議を行った。
マーフィー氏は電子メールの声明で、次期政権との計画共有を渋る姿勢は「バイデン次期政権のチームが発足1日目に計画の遂行や調整に向けた準備を整えることができない事態を招く恐れがある」と警鐘を鳴らした。
ホワイトハウスのモーゲンスターン報道官は、バイデン氏のチームが説明を受けるかどうかに言及せず、疾病対策センター(CDC)と州のワクチン配布計画は公表されていると述べた。
また「ワクチンの製造は順調に進んでおり、スラウイ氏は12月に2000万人の米国民、その後も月に数千万人のペースで配布できる見通しを確認した」と語った。
バイデン氏のチームからのコメントは得られていない。
バイデン氏は18日、ワクチン配布計画など「われわれの手に入らないものがたくさんある」と語り、一般調達局(GSA)が政権移行を正式承認しないことが、新型コロナウイルス対策を遂行する上で最大の妨げになっていると不満を表明した。