[ワシントン/ニューヨーク/ウィルミントン(米デラウェア州) 22日 ロイター] - 米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領は24日に最初の閣僚人事を発表する。また、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、来年1月20日の大統領就任式は規模を縮小して行う計画という。バイデン氏の側近らが22日、明らかにした。
バイデン氏の政権移行チームの関係筋によると、次期国務長官にはベテラン外交官のアントニー・ブリンケン氏が指名される見通し。
ブリンケン氏はバイデン氏の長年の朋友で、オバマ政権で国務副長官や、国家安全保障担当の大統領副補佐官を務めた。
ブリンケン氏をよく知る人物によると、ブリンケン氏は「外交官中の外交官」で、思慮深く、話し方は比較的穏やかだが、外交政策に精通しているという。
また、同じくバイデン氏の朋友であるジェイク・サリバン氏も、国家安全保障担当の大統領補佐官に指名される見通しという。
両氏の指名に関しては米ブルームバーグが報じていた。
バイデン氏の政権移行チームはコメントを控えた。ブリンケン氏とサリバン氏はコメント要請に応じていない。
ブリンケン氏は、米国は同盟国と連携し、世界で主導的な役割を積極的に担う必要があり、そうでなければ利害関係で対立する中国などの国がその担い手になると長年にわたり訴えている。
国務長官候補には、ブリンケン氏のほか、オバマ前政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたスーザン・ライス氏らが含まれる。
メディアによると、国連大使にはリンダ・トーマス・グリーンフィールド氏を起用する可能性が高い。トーマス・グリーンフィールド氏は黒人女性で、オバマ前政権で国務次官補(アフリカ担当)を務めた。
中国外務省の趙立堅報道官は、ポンペオ氏の後任としてブリンケン氏が国務長官に就任すれば米中の関係が改善するかとの質問に対し、米国の内政にはコメントしないとした上で、中国は米国との対話を改善し、協力関係を強化し、意見の相違に対処していくと改めて述べた。
大統領首席補佐官に指名されたロン・クレイン氏も、ABCの番組で「24日に最初の閣僚の人選が分かるだろう」と述べた。ただ、どの役職かや指名される候補の氏名には言及しなかった。
バイデン氏は19日、次期財務長官候補を選定したと明かし、26日の感謝祭の前後に発表する方針を示している。
次期財務長官の有力候補には、イエレン前連邦準備理事会(FRB)議長、ブレイナード現FRB理事、ラスキン元FRB理事、アトランタ地区連銀のボスティック総裁らの名前が挙がっている。
また、クレイン氏によると、バイデン氏の大統領就任式は「従来型の縮小版」になるという。
大統領就任式とその関連行事が開催される際には通常、ワシントンに多くの人が集まる。しかし、米国では現在、新型コロナの感染者が多くの地域で急増している。
クレイン氏は「われわれは祝いたい人々の気持ちを理解している」とした上で、「可能な限り安全に行う手段を模索したい」と語った。
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