[上海 23日 ロイター] - 中国は、2021─25年の次期5カ年計画に、急速に進む高齢化に対応し、出産を奨励する新たな措置を盛り込む計画だ。国営メディアが23日、伝えた。
チャイナ・デーリーは、専門家の話として、夫婦が子どもをさらに持つようになるよう、資金面や政策面で支援する方針と伝えた。
中国人口学会の副会長は「出生率、労働力の質、人口構造の改善に向け、より包摂的な人口政策が導入される見通し」と述べた。
中国は1978年、地方を中心とする人口の急速な増加が、貧困是正や経済発展の取り組みを阻害しているとして「一人っ子政策」を導入した。
しかし、急速な高齢化を受け、2016年に同政策を緩和し、子どもを2人持つことを容認した。
60歳以上の人口は昨年末時点で2億5400万人で、全人口に占める割合は18.1%。専門家によると、60歳以上の人口は2025年までに3億人に、35年までに4億人に達する見通し。一方、労働力人口は50年までに2億人減少すると予想されている。
一人っ子政策が緩和されたにもかかわらず、昨年の人口1000人当たりの出生数は10.48人と、2018年の10.94人から減少し過去最低となった。
法制日報によると、政府の専門家は、人口増加を抑制する政策を出生率を高める制度に切り替えなければならないと指摘した。