[台北/ワシントン 22日 ロイター] - アジア太平洋地域で米軍の情報部門を統括する海軍将官が台湾を電撃訪問したと、台湾当局者など複数の関係筋が22日、ロイターに明らかにした。中国の反発を招く可能性がある。
関係筋によると、訪台したのはマイケル・スチュードマン海軍少将。米海軍のウェブサイトによると、スチュードマン氏は米インド太平洋軍で情報部門のトップを務める。
米国防総省と台湾国防部(国防省)はコメントを控えた。台湾外交部(外務省)は22日、米当局者が台湾に到着したことを確認したが、非公開の訪問だとして詳細は明らかにしていない。
中国は、米国のアザー厚生長官が8月、クラック国務次官が9月にそれぞれ台湾を訪れた際、戦闘機を台湾周辺に派遣して強い反発の意を示した。
トランプ米政権は武器の追加売却など台湾への支援を強化し、中国は警戒感を強めている。
中国がスチュードマン氏の訪台を事態のエスカレートと受け止めるかどうかは不透明だが、同氏は近年に台湾を訪問したことが分かっている米軍当局者の中で最もランクが高い1人の可能性がある。
在台湾の米国窓口機関の元所長で現在は米カーネギー国際平和財団に所属するダグラス・パール氏は「(訪台したのが)米インド太平洋軍情報部門のスチュードマン氏なら、私はそのような前例は知らない」と語った。
一方、トランプ政権で国防次官補としてアジア政策を統括したランドール・シュライバー氏は、同政権下の米国防総省は台湾に定期的に将官をひそかに派遣してきたとし、米台は中国の軍事的脅威について緊密に情報交換していると指摘した。
台湾外交部は、米国とは頻繁なやり取りがあり、「米当局者の訪問を歓迎する」とする声明を発表。その上で「(訪問の)日程は公開されていないため、米台間の相互信頼に基づき、外交部はこれ以上の説明やコメントはしない」とした。