[ワシントン 23日 ロイター] - 米大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏は情報機関を統括する国家情報長官に元中央情報局(CIA)副長官のアブリル・ヘインズ氏を指名した。情報機関の活動は、トランプ政権が政治的目的に使われているとしてやり玉に挙げたため、職員の士気回復が課題となっている。
ヘインズ氏はニューヨーク出身の弁護士で、柔道をたしなみ、パイロット免許も保有するという異色の経歴を持つ。2001年の同時多発攻撃を受けて創設された国家情報長官のポストに就任する初の女性となる。
上院の共和、民主両党筋によると、ヘインズ氏の指名は議会で承認される見通し。ただ、指名承認公聴会では、2013年8月から15年1月までCIA副長官を務めた際の役割や、ロシアからサイバー戦争に至る国家安全保障上の課題に対する見解について、厳しい質問が出るとみられる。
ヘインズ氏はオバマ前政権時代に国家安全保障担当大統領副補佐官を務め、シリア内戦で急増した難民の受け入れ拡大を決定する際に主要な役割を果たした。
トランプ氏は情報機関の活動や見解を批判し、自身に忠誠心がないと判断した高官を解任してきた。
現在の国家情報長官であるラトクリフ氏は、情報機関での勤務経験がほぼない下院議員だったが、トランプ氏のウクライナ疑惑を巡る弾劾に強く反対したのに続き、今年2月に現職に起用された。
民主党議員や情報機関の元当局者らは、ラトクリフ氏がトランプ氏や共和党のトランプ氏側近に対し、バイデン氏を含む政敵の攻撃に使うために一部情報の機密扱いを解除したと批判している。ラトクリフ氏側はこれを否定している。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201124T003716+0000