[シンガポール 24日 ロイター] - アジア時間の原油先物は上昇し、北海ブレント先物は3月以来の高値を付けた。新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)で新たに有望な結果が発表され、原油需要の早期回復期待が高まったほか、米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領への政権移行が承認されたことを好感している。
0323GMT(日本時間午後0時23分)時点で、北海ブレント先物は0.34ドル(0.7%)高の1バレル=46.40ドル。一時は3月上旬以来の高値となる46.56ドルを付けた。米WTI原油先物は0.38ドル(0.9%)高の43.43ドル。
英製薬大手アストラゼネカは23日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナワクチンの治験の中間結果を発表し、深刻な副作用を起こさず感染を予防できる有効率が約90%だと明らかにした。
米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナも既に有望な治験結果を発表している。
アクシのチーフストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「ワクチンの開発や供給に関する進展により、原油市場の正常化に向けた道のりのリスクが取り除かれる」と指摘した。
また「移動データが原油価格のセンチメントを測る尺度だとすれば、ワクチンによってそう遠くない将来に人々は再び航空機やクルーズ船に乗るだろう」と述べた。
トランプ米大統領がバイデン次期政権への移行プロセス開始を一般調達局(GSA)のマーフィー長官に許可したことも、金融市場の不透明感後退に寄与している。
*内容を追加しました。