[24日 ロイター] - 米大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領は24日、欧州連合(EU)を離脱した英国とEUの将来関係を巡り、英領北アイルランドとEU加盟アイルランドの国境は検問所を設置すべきではないとの考えを示した。
英国とアイルランドの各首相およびEU指導部とは既にこの問題について協議したと明らかにした。
バイデン氏は大統領選後に行われたジョンソン英首相との電話会談で、北アイルランド紛争を終結させた1998年の和平合意を守る必要性を強調していた。
英政府はEUと通商交渉を進めているが、合意がないまま移行期間を終了する可能性も排除していない。交渉が決裂した場合は、英国が唯一地続きで国境を接するアイルランドとの国境管理を複雑にする危険性をはらんでいる。
アイルランド系移民の子孫であるバイデン氏は地元デラウェア州で、英国とEUの交渉担当者に対するメッセージを記者から問われ、検問所のない国境を維持すべきだと強調。「警備下にある国境は求めていない」とした。
英国とEUが既に結んだ離脱協定は、物理的な国境管理をアイルランド島に設けないと規定するが、ジョンソン英政権は9月にこの条項をほごにする法案を議会に提出した。
アイルランドのマーティン首相は23日、今週末までに自由貿易協定の概要がみえてくることを望んでいると述べた。ただ、EUの交渉官は英国との交渉には根本的な相違があると語った。