[ロンドン 25日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)高官は25日、欧州連合(EU)の保険会社に対する自己資本規制「ソルベンシーII」について「直ちに成果の出る」改革を検討していると明らかにした。
英国はEU離脱の移行期間が終了すればソルベンシーIIを独自に改定することが可能になる。英国の議員らは国内の保険会社が競争力を維持するには修正が必要と主張している。
英中銀のプルデンシャル政策担当エグゼクティブディレクター、ビクトリア・サポータ氏はロイターが主催した欧州の保険業界に関するイベントで、同規制の見直しを可能な限り迅速に行うと述べ、多くの修正案があると説明した。
重点分野にはリスクマージンの調整、規制報告、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に関するルールなどが含まれると述べた。規制当局は財務省や議会と協力する必要があると指摘し、一部の項目は法令の改正などで変更に時間がかかることを示唆した。
英保険大手M&Gの公共政策・規制部門責任者ジュリアン・アダムズ氏はソルベンシーIIの改革すべき分野を財務省は特定したと語った。
また「リスクマージンの内容を再検討すべき十分な根拠がある」と述べ、見直しは保険会社が「グリーンな」投資でどのように貢献できるかについても検討すべきだと主張した。
EUもソルベンシーIIの見直しを行っている。
EUの欧州保険・企業年金監督局で金融安定部門を率いるディミトリス・ザフェイリス氏は同じ会議で「全体として保険会社のソルベンシーの枠組みは機能している」との認識を示し、改革は「革命」でなく「進化」であるべきと述べた。
ドイツ連邦金融監督庁(Bafin)のフェリックス・フーフェルト長官は「ソルベンシーIIの主要な柱の一部は改良が必要とし、特に小規模な保険会社に合うようにすべきと語った。