[ブリュッセル/パリ 26日 ロイター] - 欧州議会は26日、欧州連合(EU)にトルコへの制裁導入を求める拘束力のない決議を採択した。
トルコのエルドアン大統領は今月、同国のみが独立国家として承認する「北キプロス・トルコ共和国」を訪問した。トルコは東地中海のガス田権益を巡って、EU加盟国のギリシャ、キプロスと対立している。
欧州議会は賛成631、反対3、棄権59で決議を採択。「トルコの違法行為に対して行動を起こし、厳しい制裁を科すよう」EU首脳に求めた。
トルコを巡っては、様々な問題で同国と対立するフランスが、来月、制裁を決定するよう呼び掛けている。フランスは、まだ具体的な制裁案をまとめていないが、外交筋によると、海運・エネルギー・金融分野を対象にする可能性が高い。
トルコのエルドアン大統領は、国民に対しフランス製品のボイコットを呼び掛けており、EUのある外交官は、EUとトルコの通商関係強化に悪影響が及びかねないと指摘している。
EUの別の外交官も「トルコは多くの分野で重要なパートナーであり、(EU)理事会内で意見はまだまとまっていない」と述べた。
対トルコ制裁の是非を決める上でカギを握るのは、現在、EUの議長国を務めるドイツ。
ドイツは当初、ギリシャとトルコを仲介する方向に期待を寄せていたが、トルコが先月、キプロス沖でガス田探査を再開したことに反発。今週には、地中海でトルコの船舶に立ち入り検査を実施した。
EUのある外交官は「制裁を科すという共通理解があると考えている」との認識を示した。