[ブリュッセル 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)は来月の首脳会議を前に大使級会合を開き、米国のバイデン次期政権と関係を「刷新し再活性化」させる方法について討議した。
EUは12月10─11日に首脳会議を開催。ロイターが入手した内部文書によると、EU加盟27カ国の大使は、「米国第一」主義を抱えたトランプ政権退陣後の対米政策で、新型コロナウイルス感染拡大を含む公衆衛生問題、景気回復支援、気候変動対策、平和と安全保障の促進の5つの政策分野に焦点を当てることでおおむね合意した。
EU大使はバイデン次期政権と協力の機会が拡大すると予想。 文書は「新政権と新たな議会の発足は、相互の利益に基づく欧米の戦略的なパートナーシップを刷新し、再活性化させる機会となる」とし、「米次期政権と新たな関係を構築するにあたり、EUは具体的な一連の優先事項で合意しておく必要がある」としている。
EUの執行機関である欧州委員会、および欧州対外行動庁(EEAS)はこれとは別にデジタル産業に対する規制や中国への対応などに関する文書を用意。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長とEUのミシェル大統領は23日、米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領と電話で会談し、NATOとEUの本部があるブリュッセルを来年訪問するよう招請するなど、米次期政権発足に向け準備が進んでいる。
ただEU外交官は、次期米政権下で米国とEUがすべての問題で合意すると予想するべきではないと指摘。「バイデン政権下でトーンが変化するとみられるが、強硬な対中政策のほか、欧州に防衛予算拡大を要求する方針は変わらない」と述べた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201130T154942+0000