[ロンドン 30日 ロイター] - ロイターの調査によると、石油輸出国機構(OPEC)の原油生産量は11月に5カ月連続で増加した。減産合意の順守率は100%を超えたが、協調減産の除外国であるリビアの増産が影響した。
13カ国で構成するOPECは11月に日量2531万バレルを生産、前月から75万バレル増えた。6月に約30年ぶりの低水準を付けてから増加が続いている。
OPECにロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」は、1日に1月以降も現行の減産体制を続けるかどうかについて話し合う予定だったが、関係筋によると、会合を3日に延期した。
コメルツバンクのオイゲン・ワインバーグ氏は会合前の時点でOPECプラスは合意をまとめられないようだとした上で「原油市場は現行の減産体制が少なくともあと3カ月は維持されると強く信じている」と述べた。
リビアの生産量は、有力軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハフタル司令官が9月に原油輸出の封鎖を解くと表明して以来、回復基調にあり、世界的なコロナ対策で原油需要が戻らない現状を踏まえて供給量を管理したい他の産油国にとっては頭痛の種になっている。
一方、協調減産で生産枠を設定されている加盟国の順守率は102%と、10月から横ばいだった。
リビアの11月の増産幅は日量70万バレル近くとなり、一部のアナリストやOPEC当局者の予想より速いペースで生産量が回復している。
リビアと同様に協調減産を除外されているイランとベネズエラの産油量も増えた。
生産枠が設定されている加盟国の中で最も生産量が増えたのはアラブ首長国連邦(UAE)で9万バレル増だった。それでもなお、生産枠を下回った。
一方、最も大きい減産となったのはナイジェリアで、石油パイプライン爆発を受けて生産停止を余儀なくされたのが理由。イラクも小幅に減産。
最大の石油輸出国サウジアラビアとクウェートの産油量は変わらなかった。