[1日 ロイター] - 不動産コンサルタント会社・コアロジックが1日公表したデータによると、11月の豪住宅価格は全主要都市で上昇した。歴史的な低金利を背景に初めて住宅を購入する人が増えた。
地方の住宅価格も上昇した。新型コロナウイルスの行動規制の影響で、より広いスペースが確保できる地方に引っ越す人が増えている。
コアロジックのリサーチ部門責任者ティム・ローレス氏は「住宅価格が現在のペースで上昇を続ければ、来年1月か2月にも新型コロナによる低迷から回復できる」との見通しを示した。
アナリストは最も厳格なロックダウン(都市封鎖)が敷かれた今年4月、住宅価格は今年と来年10%以上値下がりすると予想していたが、住宅市場は予想よりも急速に回復している。
11月の住宅価格は前月比0.8%上昇し、伸び率は前月の倍に達した。前年同月比では3.1%上昇した。
主要州都の住宅価格は前月比0.7%上昇。ただ、伸び率は地方の1.4%を下回った。
シドニーでは0.4%上昇した。メルボルンは、コロナ対策のロックダウン解除に伴いプラスに転じ、0.7%上昇となった。
新型コロナの影響をさほど受けていない都市の上昇が目立ち、ダーウィンとキャンベラでは1.9%、アデレードは1.3%、パースは1.1%、ホバートは1.4%、それぞれ上昇した。ブリスベン、アデレード、ホバート、キャンベラの価格は過去最高を記録した。
オーストラリア準備銀行(豪中銀)は政策金利を0.1%に引き下げ、住宅ローン金利も過去最低水準となっており、住宅市場を間接的に支援している。
ナショナル・オーストラリア銀行の住宅ローン担当者によると、11月の同行住宅ローンへの需要は約2年ぶりの堅調さを示し、過去6週間の申し込みは前期比25%以上増加した。今後数年間は低金利が続くとの見方から、おう盛な需要が見込めるという。
住宅市場でみられるこうした動きは個人消費を押し上げる原動力となっている。また個人消費が景気回復を牽引している背景には、大型の景気刺激策が所得と雇用を下支えしていることがある。第3四半期の政府支出は1.2%拡大し、GDPを0.3%ポイント押し上げた。
ただ、これらの財政支出は外国製品の輸入拡大につながり、純輸出はGDPに対し1.9%ポイントの大幅な引き下げ要因となった。
一方、オーストラリアの資源に対する中国の需要は強く、経常収支は100億豪ドルの黒字を維持した。
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