[イスタンブール 1日 ロイター] - トルコ中央銀行の外貨準備高が、先週時点で約50億ドル減少したとみられることが明らかになった。3人の銀行関係者が1日までに試算した。国内民間銀行との通貨スワップが更新されず、満期を迎えたことが主な理由だ。
毎週木曜日に公表される週次データでは、先週のトルコ中銀の純外貨準備は184億5000万ドルだった。130億ドル近辺まで減少すれば、2003年以来となる。減少分の大半は、40億ドル前後に相当するスワップを更新しなかったことによる。
関係者は、国内銀の準備金に関する要件の見直しや、トルコ財務省によるユーロ債の発行により、準備金は今後数週間で80億─100億ドル増加すると予想している。
トルコ中銀は準備金を強化するため、昨年から国内民間銀行とスワップ取引を行っていた。こうした非伝統的な外貨調達手段は、今年に入り外国為替市場で25%下落した自国通貨リラを下支えすることを目的としていた。
ただスワップ更新を見送った決定は、中銀の政策の静かな転換点を示唆する可能性がある。さらに当局はここ数週間で、民間銀が信用を拡大し、スワップ取引を行うことを奨励する措置をいったん後退させている。