[ウィルミントン(米デラウエア州) 7日 ロイター] - バイデン次期米大統領は7日、厚生長官にカリフォルニア州のハビエル・ベセラ司法長官を指名すると発表した。新政権で新型コロナウイルス対応の指揮を執る。
ベセラ氏は中南米系で62歳。オバマ前政権が導入した医療保険制度(オバマケア)を維持するため20州を率いて法廷闘争を行ってきた。バイデン氏の閣僚人事を巡っては、中南米系の議員の間から中南米系の登用が少ないなどと批判が出ていたため、閣僚の多様性を図る。
バイデン氏はこのほか、政権の首席医療顧問に米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長を起用する。ファウチ氏はCNNに対し「これから本格的な冬を迎えるにあたり、全国的に巨大な課題に立ち向かわなくてはならない」と述べ、 政府の対応にあらゆる面で関与していく方針を表明した。
このほか、米疾病対策センター(CDC)所長にマサチューセッツ総合病院で感染病の責任者を務めるロシェル・ワレンスキー氏を起用。新型ウイルス対策の調整役にオバマ前政権で経済顧問を務めたジェフ・ジエンツ氏、医務総監にビベック・マーシー氏を再度起用する。
バイデン氏は声明で「この世界トップクラスのチームは、政権発足第1日目から検査拡充などに向け、連邦政府が持つあらゆる手段を行使していく」とし、「治療薬とワクチンが安全、平等、かつ無料で配布される」よう監督するとした。
民主党のペロシ下院議長は、次期政権で保健政策を担当する主要人事について、「新型ウイルス感染拡大に立ち向かうと同時に、全ての米国民が質の高い、手頃な価格の医療保健を受ける権利を守るために重要だ」と述べた。
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