💎 今日の市場でもっとも健全な企業を見てみましょう完了

英アストラゼネカ、ワクチン有効率証明に多くの作業 実用化遅延も

発行済 2020-12-09 02:46
更新済 2020-12-09 02:54
© Reuters. 英アストラゼネカ、ワクチン有効率証明に多くの作業 実用化遅延も

[ロンドン 8日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカが英オックスフォード大学と共同開発する新型コロナウイルスワクチンを巡り、当初発表された有効率90%を証明するにはまだ多くの作業が残されていることが、英医学誌ランセットに掲載された論文で明らかになった。論文は外部専門家による査読(ピアレビュー)という作業を経たもので、実用化が遅れる可能性がある。

アストラゼネカは11月23日に同ワクチンの臨床試験(治験)の中間結果を発表。それによると、まず半分の量を投与し、少なくとも1カ月の間隔を置いて全量投与した場合の有効率が90%と、計画通り全量を2回投与した場合の有効率62%を上回った。ワクチン開発関係者は、1回目に半分の量を投与したのは「セレンディピティー(偶然の幸運)」だったとした。

ただ今回発表された論文には、1回目の接種の量を半分にした方がなぜ効果が高かったのか明確な説明はなく、「より多くの治験結果が明らかにされるにつれ、一段の研究が必要になる」との記述にとどまった。

英国で実施された治験では、1回目の接種量が半分だった治験参加者の割合は6%に満たず、この中に55歳以上の人は含まれていなかった。このことは、感染すると重症化する恐れがある高齢者に対する効果を確認するために、一段の治験が必要になる可能性があることを示している。

ただ全体の有効率は70.4%と、米食品医薬品局(FDA)が定める最低水準の50%は上回った。

アストラゼネカの研究・開発部門を率いるメネ・パンガロス氏は、「年末から来年初旬にかけて」各国の保健当局に承認申請する可能性があると指摘。ただオックスフォード・ワクチン・グループを率いるアンドリュー・ポラード氏は、投与量が異なる2種類の接種方法でそれぞれ異なる結果が出たことで、承認過程が複雑になる可能性があると述べた。

© Reuters. 英アストラゼネカ、ワクチン有効率証明に多くの作業 実用化遅延も

パンガロス氏は、治験の再実施の必要性については明確に示さず、「次回の治験を実施について何も決定していない。状況を見ながら決定する」と述べるにとどめた。

他のワクチンを巡っては、「メッセンジャーRNA(mRNA)」技術に基づくものを開発する米モデルナと米ファイザーがそれぞれ有効率が90%を超えたとする治験結果を発表。ファイザーのワクチンはこの日、英国で接種が始まった。

アストラゼネカのワクチンは従来の技術に基づくもので、超低温で貯蔵する必要はないため、途上国などでの利用に有利とみられている。

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます