[ブリュッセル/ロンドン 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)で英国のEU離脱問題を担当するバルニエ首席交渉官は14日、英国との貿易協定締結は依然として可能だとした上で、向こう数日がヤマ場になるという認識を示した。
英国とEUは13日、通商協議の合意期限としていた同日以降も交渉を継続することで合意した。
バルニエ首席交渉官は14日、加盟国大使に交渉の現状について説明。会合後のツイートで「あらゆる手を尽くして交渉を成功させることがわれわれの責務。向こう数日間が重要だ」と強調した。
外交関係者が匿名を条件に明らかにしたところによると、バルニエ氏は会合で、交渉がわずかに進展したものの、国家補助金についてまだ溝があると発言。漁業権については溝がさらに深まったとの認識を示した。
執行のメカニズムについては「わずかな進展」があったが、国家補助金の問題では意見が一致しておらず、漁業権の問題では「逆戻り」していると述べたという。
ある外交筋は、交渉が入り組んでおり決裂する恐れもあるものの、「患者はまだ生き永らえている」と指摘。別の外交筋は「交渉担当者が今後数日間で残りのハードルをクリアできれば、目に見える合意に向け狭き道が見いだせるかもしれない」とし、成功は英国が公正な取引のための「固有のトレードオフ」を受け入れるかどうかにかかっていると述べた。
英国のシャーマ民間企業相はスカイに「もちろん、一部の問題で隔たりはあるが、交渉から離脱したくない」とし「英国の人々と企業は、われわれがあと1マイル先に進むことを期待している。それこそまさに、われわれが行っていることだ」と話した。
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