[マニラ 6日 ロイター] - フィリピン統計局が6日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.5%上昇と、2月の4.7%上昇から6カ月ぶりに伸びが鈍化した。一部の食料品の価格上昇が鈍った。ただ、中央銀行の今年の目標である2─4%を引き続き上回った。
2月は2年2カ月ぶりの大幅な伸びを記録していたが、3月はCPIに占める比重が大きい食料品やソフトドリンクの価格上昇が鈍化した。この結果、CPIの上昇率はロイターがまとめた市場予想(4.8%)を下回り、中銀の3月の予測レンジ(4.2─5.0%)内に収まった。
変動の激しい食品と燃料を除いたコアインフレ率は3.5%と前月から横ばい。
食料品では野菜と魚類の価格上昇ペースが落ちたが、注目度の高い肉製品価格は引き続き上昇が加速した。
中銀のジョクノ総裁は同日、現行の金融政策はなお適切との認識を示した上で、中銀はインフレ圧力を注視すると同時に「直ちに措置」を講じる用意があると表明した。
さらに、「国内の肉製品の供給引き締まりと世界的な経済活動の改善はインフレにさらなる上昇圧力をもたらす可能性がある」と指摘した。
INGのシニアエコノミスト、ニコラス・マパ氏は「中銀は賃上げなどの副次的な影響が顕在化するか、インフレ期待が揺らぐ場合にのみ、金融政策の再調整を検討するだろう」と予想した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210406T030932+0000