[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は6日、市場の予想通り、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置くとともに、少なくとも2024年まで超緩和的な政策を維持する方針を改めて示した。
ロイター調査では、アナリスト24人のうち1人を除く全員が政策金利の据え置きを予想していた。
中銀は昨年、3度利下げを実施し、3年債利回りを0.1%で維持するための措置を導入。長期債を対象とした大規模の量的緩和にも着手した。
金利据え置きは4会合連続。ロウ総裁は声明で「目標が達成されるまで、非常に支持的な金融環境を維持する」方針を表明。「実際のインフレ率が2─3%の目標範囲内に持続的に収まるまで、キャッシュレー トを引き上げない」とした上で、「早くても2024年までにこれらの条件が満たされるとは予想していない」と指摘した。
金融緩和により国内経済は約30年ぶりの景気後退(リセッション)から脱却した。ここ数カ月に発表された小売売上高や建設活動、企業の景況感、消費者心理、雇用関連指標は、市場予想を上回る数字となった。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)がこの日発表した3月の豪求人広告も前月比7.4%増の19万0542件と、2008年11月以来約12年ぶりの高水準となった。
低金利を背景に国内の住宅市場は過熱しており、3月の豪住宅価格は約30年ぶりの高い伸びを記録した。
中銀は「住宅ローンの動向を注意深く監視する。貸出基準を維持することが重要だ」とした。
銀行の高リスク融資を抑制するため、当局が今年より厳格なマクロプルーデンス政策を導入するとの観測も一部のアナリストの間では高まっている。
BISオックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、ショーン・ランドケーク氏は「豪中銀は状況を注視し続けるだろうが、価格の上昇が問題となった場合の対応は豪健全性規制庁(APRA)に委ねるだろう」との見方を示した。
豪中銀が金融政策を現状維持としたことを受けて、外国為替市場で豪ドルは横ばいの1豪ドル=0.7640米ドル。
中銀は9日に金融システムのリスクや金融業界動向などを分析した半期ごとの金融安定報告を公表する。
*内容を追加しました。