[台北 16日 ロイター] - ここ数週間における中国軍の空母を使用した軍事訓練や台湾の防空識別圏への侵入は、引っ込んでいるようにとの米国へのメッセージ──。台北を拠点に活動する複数の安全保障関係筋はこうした見方を示している。
中国軍の活動強化に台湾当局と米政府は警戒感を強めているものの、安保当局者は差し迫った攻撃の兆候ではないと見ている。
台湾の安保計画の事情に詳しいある当局者は、軍事訓練の少なくとも一部は戦争時に台湾防衛に外国勢力が加わることを防ぐための「接近拒否」戦略の演習だと指摘。「中国は台湾付近での訓練だと主張しているが、ロケーションで判断すれば、実際には米軍に向けられたメッセージだ」と語った。
西側のある安保筋によると、中国の対潜水艦戦用航空機が南シナ海の最北地域でほぼ毎日飛行していることは米国の作戦への対応とみられ、中国が米潜水艦を捕捉できることを米国防総省に示すメッセージだという。
同筋は、台湾が現在保有するわずか4隻の潜水艦について、うち2隻が第2次世界大戦時代のものだと指摘し、「中国は台湾の潜水艦を追跡しているのではない」と述べた。
中国国防省、台湾国防部、米第7艦隊からはコメントを得られなかった。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210416T102633+0000