[北京 19日 ロイター] - 中国の広東省人口発展研究院は、政府が早急に「二人っ子」政策を廃止しなければ、年間の出生数が今後5年で1000万人を下回る可能性があるとの見解を示した。
国内の総人口が今後数年で減少する可能性もあるという。
経済メディア「第一財経(Yicai)」が同研究所の幹部の発言として報じた。
国家統計局によると、2019年に中国で生まれた新生児は58万人減の1465万人。1000人当たりの出生率は10.48で、現在の形で統計を取り始めた1949年以降で最低だった。
出生数に関する統計は例年2月末に発表されるが、2020年の統計はまだ発表されていない。
中国は2016年に「一人っ子政策」を廃止したが、医療費・教育費・住宅費などの上昇を背景に出生数が低迷。新型コロナウイルスの流行に伴う経済的な不透明感も出生数低迷の一因となっている。
公安省が集計したデータによると、2020年の出生数は前年比15%減の1003万5000人。2019年は1179万人だった。
深センの労働問題専門家によると、公安省のデータには農村部の一部の新生児が含まれていない可能性があり、2020年の出生数は1000万ー1400万人と推計されるという。
同専門家は、来年は1000万人を下回るかもしれないと述べた。