[ロンドン 19日 ロイター] - 英首相府は19日、欧州連合(EU)との交渉を率いてきたフロスト担当相の辞任を受け、トラス外相が交渉責任者に就任すると発表した。
英国は今年初めにEUを正式に離脱したが、EU加盟国アイルランドと陸地で国境が接する英領北アイルランドと英本土間のモノの移動を巡る問題解決に向けた協議が続いている。
ジョンソン首相のEU離脱戦略の担い手だったフロスト氏は18日、政府の方針に対する懸念を表明して辞任。今後のEUとの関係や北アイルランドの扱いを巡る交渉の行方が不透明になった。
首相府は「トラス氏が英国のEUとの関係に関する責任を直ちに引き継ぎ、北アイルランド議定書(プロトコル)の現在の運用から生じる問題を解決するために進行中の交渉を主導する」とした。
発表を受け、欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は「アイルランド/北アイルランドに関する議定書を含め、今後の重要な課題全てにおいて、これまでと同様に建設的な精神で英国と協力していく」と表明した。
トラス氏はソーシャルメディアの熱心なユーザーで、ジョンソン首相の後継者候補と目されている。EU加盟に関する2016年の国民投票では残留を支持したが、現在は離脱支持派となっている。
英国とEUは、英本土から北アイルランドへの農産物の移動に伴う検査などの問題について、来年1月に協議を再開する予定。