［ソウル ２８日 ロイター］ - 韓国は、ロシアへの戦略物資の輸出を禁止する輸出規制強化策を決定した。また、欧米諸国と協調して、ロシアの一部銀行を国際送金・決済システムのＳＷＩＦＴ（国際銀行間通信協会）から排除する金融制裁も科す。外務省が２８日、発表した。
「韓国政府はロシアによるウクライナの武力侵攻を非難する。国際社会の責任ある一員として、経済制裁を含むウクライナ情勢の平和的解決に向けた取り組みに積極的に参加することを決めた」と表明した。
輸出制限の対象となる戦略物資には電子製品、半導体、コンピューター、情報通信関連製品、センサーおよびレーザー、ナビゲーション・航空電子機器、海運・航空宇宙関連製品が含まれると説明した。
韓国の主要銀行２行は２８日、ＳＷＩＦＴからはまだ具体的なガイドラインを受けていないが、少なくともロシアの７銀行との貿易金融を停止したと確認した。
新韓銀行と、名称を明かしていない別の大手銀行は、ＰＳＢ、ＶＥＢ、ＶＴＢ、バンク・オトクリティエ、ノビコムバンク、ソブコムバンク、ズベルバンクとの間で、信用状の発行やその他の貿易金融を停止したとしている。
韓国対外経済政策研究院のエコノミストで、ロシアや欧州に詳しいJeong Min-hyeon氏は「韓国のロシア産天然ガスや石油の輸入は（全体に占める比率が）５─１０％程度で、それほど大きくはないが、ＳＷＩＦＴ排除は貿易金融にマイナスに影響するだろう」と指摘。
「ロシア産コモディティーの韓国の買い手が決済で困難にぶつかれば、供給が混乱し価格が上昇する可能性がある」と分析した。
外務省の発表によると、国際エネルギー市場の安定を図るため、戦略石油備蓄の追加放出を推進し、液化天然ガス（ＬＮＧ）の欧州への再販を含めたその他の措置を検討することも決めた。
また、ウクライナへの人道支援を強化する方針も示した。
聯合ニュースが通商省を引用して伝えたところでは、ロシアのハイテク製品へのアクセスを阻止する米国が科した制裁について、サムスン電子やＳＫハイニックスなど韓国ハイテク大手への影響が大きいとして、韓国政府は制裁からの除外を求める方針。