[3日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は3日、ロシアのウクライナ侵攻に伴う国外への避難者の次の波は、既に退避した約100万人よりも病気や経済的困難に対して脆弱な人々である可能性が高いとロイターに述べた。
クルーゲ氏は、ポーランドにあるWHOのウクライナ向け医療物資支援拠点で、状況は既に「人道危機」と言え、ロシア軍による主要都市の包囲や爆撃に伴い悪化する見込みと指摘。「軍事衝突が激化すれば、さらに大量の極めて脆弱な人々が、着の身着のままで避難してくることになる」と述べた。
同氏は、第1波では多くの人が避難のための経済手段があるほか、避難先に親族がおり、ポーランドなどで親族と会えていると説明。しかし戦闘激化に伴い、資金が乏しく健康状態がより厳しいため「より多くの支援を必要とする」人々が危険を侵して国境に移動せざるを得なくなり、医薬品(供給)や救急治療を受けられなくなる恐れがあると述べた。