[ザポロジエ(ウクライナ) 6日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、ロシアによる軍事侵攻で約400カ所の病院や医療機関が被害を受け、がん治療薬などが不足しているほか、医師らは手術を行えない状態だと明らかにした。
激しい戦闘が行われている東部や南部の多くの施設では、基本的な抗生物質すら枯渇しているという。
大統領は「医療インフラだけを考えても、きょう時点でロシア軍は病院や産院、外来診療所など400近くの医療機関を破壊したか、もしくは被害をもたらした」と医療援助団体向けのビデオ演説で述べた。
ロシア軍が占領している地域では状況は悲惨だとし、「がん患者の薬は全くないということだ。極めて困難な状況で、糖尿病患者のインスリンも全くないということだ。手術を行うのは不可能だ。抗生物質もない」と惨状を訴えた。
ロシア政府は、軍事・戦略施設しか標的にしておらず、民間人は攻撃の対象でないとしている。