[ワシントン 12日 ロイター] - 米国のバイデン大統領は12日、ワシントンでメキシコのロペス・オブラドール大統領と会談を行い、移民問題は「米州半球の共通した課題」との認識を示した。また、両首脳は国境のインフラ投資と麻薬密輸の阻止で協力することで合意した。
メキシコは同日、今年から2024年の間に15億ドルを投じて国境インフラを強化すると約束。当局者はこれまで、米国との国境にある入国施設を近代化し、より迅速に通過できるようにする必要があるほか、グアテマラとの南部国境のインフラは人流を止めるために改善が必要と述べている。
ロペス・オブラドール大統領は6月に米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された米州首脳会議を欠席。同首脳会議では、移民問題に取り組む共同宣言が採択された。
バイデン大統領はロペス・オブラドール大統領との共同記者会見でロペス・オブラドール氏と「力強く生産的な関係」を築いていると述べた。
今回の会談では移民問題が中心議題となった。両首脳は新たな確約はほとんど示さなかったが、バイデン氏は昨年可決された超党派のインフラ計画に含まれるメキシコやカナダとの国境沿いの米国への入国地点の改善に向けた34億ドルの投資について言及。米国はメキシコと共に合成麻薬フェンタニルの密売を阻止するための取り組みを加速させるとも述べた。
ロペス・オブラドール氏は米国に対し、より多くの合法的な就労ビザを認めるよう要請。ただバイデン氏はこれに対し、メキシコや中米の他の国の国民が利用している既存のプログラムについて言及するにとどめた。
ロペス・オブラドール氏はこのほか、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を通して3カ国の統合を強化し、関税や規制を一部撤廃できると指摘。ただ、具体的な内容は明らかにしなかった。