[北京 31日 ロイター] - 中国政府は31日、気候変動問題を巡る米国との2国間協議について、ペロシ米下院議長による今月の台湾訪問が残した「負の影響」を米政府が払拭することが再開の条件になると表明した。
ペロシ氏による今月2─3日の訪台を受け、中国は5日に気候変動問題に関する協議や米中両軍幹部の対話など、複数の分野で2国間協力を停止した。
米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は30日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで中国の習近平国家主席に協議再開を呼びかけた。
ケリー氏の発言を受けて中国外務省はロイターへの文書で、ペロシ氏訪台の負の影響を払拭することが気候変動問題での米中協力の「必要不可欠な条件」になると強調した。
また、中国は今後も気候変動に関する国際的なフォーラムに積極的に参加するとした。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、米中両軍の対話については一部の分野で意思疎通が可能としつつも、気候変動や合成オピオイド「フェンタニル」に関する対話のルートは閉じられたままと指摘。「とりわけフェンタニルと気候問題に関しては、世界の2大経済大国が協力し合えなければ世界的な影響が及ぶため、実に残念だ」と語った。