[ヌサドゥア(インドネシア) 31日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)環境・気候相会合が31日、インドネシアのバリ島で開催された。ただ、複数の関係者によると、会合では気候変動目標やウクライナ戦争に関する表現について異議が出たため、共同声明を採択することができなかったという。
議長国インドネシアは、協力して温室効果ガスの排出を減らさなければ、地球が「未踏の領域」に向かうことになると警鐘を鳴らした。
同国のシティ環境・林業相は、各国が温暖化防止で協力しなければ地球が「持続可能な未来のない」地点まで押しやられると指摘。「問題を解決する責任はわれわれにある。われわれは壁ではなく、橋を築く」と述べた。
ただ、関係者によると、グラスゴーで昨年開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)などで合意されていた、地球の気温上昇を平均で1.5度に抑える取り組みに関する文言に、中国など一部の国が異議を唱えたという。
中国外務省は現時点でコメント要請に応じていない。
別の外交筋はロイターに対し、気候に関する文言やウクライナ戦争に関する表現について意見が分かれたとした。
会合にはオーストラリア、ブラジル、インド、日本、韓国の環境当局者、および米国で気候変動対策を担うジョン・ケリー大統領特使などが参加。アフリカ連合(AU)の代表も初めて招待された。明日1日には二国間会合が予定されているという。
シティ氏は、先進国・途上国、大国・小国を問わず、全ての国の声に耳を傾ける必要があると述べた。
また、COP26のアロック・シャルマ議長も参加し、ウクライナ戦争によって再生可能エネルギーへの転換の必要性が緊急的に高まったと述べた。今年11月にはエジプトで国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が開催される。