[ジャムショロ(パキスタン)6日 ロイター] - 洪水被害が拡大しているパキスタンで6日、国内最大の貯水湖マンチャール湖の氾濫を防ぐため、堤防の決壊した部分を広げて水位を下げる作業が進められた。洪水で国土の3分の1が水没しており、国連機関は近く見込まれる降雨で状況が一段と悪化する可能性を指摘している。
シンド州にある同湖の放流によって既に10万人が避難を余儀なくされている。当局によると、氾濫で堤防が決壊すればさらに何十万人が影響を受ける可能性がある。
国家災害管理庁によると、記録的なモンスーン豪雨と北部山岳地帯の氷河の融解によって発生した洪水で、3300万人が被災。これまでに466人の子どもを含む少なくとも1325人が死亡した。
シャリフ首相の内閣は同日、最も被害が大きい120万世帯に対する現金給付の予算を700億パキスタンルピー(3億1532万ドル)に増額することを決めた。
ロイターがシンド州上空で撮影したドローン映像では、農地や住宅地が完全に水に漬かり、木や建物の上部が見えるだけだった。
同州の保健相は水が媒介する病気や皮膚病、デング熱などのリスクが増していると指摘した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のインドリカ・ラトワッテ・アジア太平洋局長は今後1カ月にさらなる降雨が予測されており、被災者や避難民の状況が悪化するだろうと述べた。