[サンパウロ 4日 ロイター] - 国際的な選挙監視で実績のある米非営利組織(NPO)カーター・センターは4日、ブラジルの10月大統領選に向け選挙監視に従事した報告を発表し、投票システムについての虚偽情報や選挙当局の公平さを疑う偽情報が巧妙な形でまん延したのが特徴だったと総括した。
同センターによると、最終的に勝利したルラ元大統領も現職ボルソナロ大統領も、双方とも虚偽情報の標的になった。しかし、有力な複数のファクトチェック組織の調査を同センターが分析したところ、大半はルラ氏陣営に向けられたものだったという。
ボルソナロ氏が以前から投票システムの正統性への批判を繰り返していたことから、ブラジル上級選挙裁判所は多数の海外選挙監視組織を招聘。カーター・センターも招きに応じ、専門家団を派遣していた。
報告によると、10月2日の第1回投票に至るまでは、偽情報の中心は投票システムに欠陥があるという内容だった。同センターは、選挙裁がこうした主張に対処するため投開票や集計のシステム監査を広範にうまく実施したと指摘した。
その後30日の決選投票に向けては、偽情報は選挙裁の公平さを疑問視する内容に変わったという。同裁判所が決選投票の直前数週間でソーシャルメディアからコンテンツを迅速に削除する権限拡大を決めたことで、かえって選挙介入への懸念が持ち上がったと指摘した。