[ローマ 10日 ロイター] - イタリア政府は10日、ボルソナロ前ブラジル大統領がイタリアの市民権を申請しておらず、申請しても受理されないだろうという見解を示した。同氏の支持者らが政府機関を襲撃した事件では、多数が逮捕されている。
ボルソナロ氏は昨年末、任期終了2日前に米国に渡航。自国では4つの容疑で捜査を受けており、ブラジルメディアは同氏がイタリアの市民権取得を模索中と報じている。
イタリアのタヤーニ外相はこれを否定、イタリアのラジオに「申請は行っておらず、私の認識する限り申請しても取得できないと思う」と語った。
イタリアの法律では、世代の制限なくイタリア人が祖先と証明できれば国籍取得申請が可能だが、審査では犯罪歴が考慮される。ボルソナロ氏は曽祖父がイタリア北東部のアングイッラーラ出身で、本人と子どもに市民権取得申請の資格がある。
イタリア外務省は、ボルソナロ氏の息子4人のうち2人が2020年に市民権取得を申請したことを確認。現在も審査中という。