[ウェリントン 16日 ロイター] - ニュージーランドの南島周辺では、気候変動やラニーニャ現象、一連の高気圧の影響で、海水温が平年より6度高くなっている海域がある。
ニュージーランド気象庁の海洋学者ジョアン・デ・ソウザ氏は、南島南部の海水温は全て平年よりかなり高く、フィヨルドランドでは6度も高いと指摘した。
周辺海域の状況などについて情報提供を行うモアナ・プロジェクトによると、南島西海岸の水温は現在平年より4度高くなっている。
こうした状況は、冷たい海水に適応した生態系に大きな影響を及ぼすと考えられている。
ニュージーランドでは昨年多くの海洋熱波が発生し、フィヨルドランドでは固有の海綿が深刻な白化現象を起こした。また、暖かい海域でよく見られる種が、さらに南の海域で目撃されたという指摘もある。
デ・ソウザ氏によると、調査では水温上昇は海面だけでなく水深100メートルまで及んでいることが判明し、海洋熱波が深海に生息する生物種に影響を与えている可能性が指摘された。
海水温が平年より高い状態は少なくとも4月まで続くと予想されている。