[ジュネーブ 26日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)次席代表で世界貿易機関(WTO)大使のマリア・ペイガン氏は26日、WTOの紛争解決制度の改革に向け米国は各国との協議の第3段階に入っており、同制度が2024年末までに完全に機能させることを目指していると、ロイターに述べた。WTO改革の非公式協議について同氏が公に発言するのは初めて。
WTOの紛争処理機関の最終審に当たる上級委員会は、トランプ前政権が委員任命に反対したことから2年以上も機能不全に陥っている。バイデン政権も委員の指名承認を求めるWTO加盟国からの要請を拒絶し、代わりに紛争解決制度を見直すための交渉を主導している。
ペイガン氏は「24年までに(紛争解決制度を)完全に機能させることが目標」で、米国は改革に「非常に熱心に」取り組んでいると強調。
上級委の復活は可能かとの質問には「多くの見直しが必要」と応じ、復活の可能性を排除しなかった。米国はWTOの手続きに時間がかかる点などを批判し、自国に不利な最近の一部裁定に異議を唱えている。
ペイガン氏によると、この1年に70カ国超が参加した協議では、具体的な提案につながる可能性のある改革案12件を議論。詳細には触れなかったが、調停など正式な紛争に代わるものが含まれるもようだ。