[ワシントン 6日 ロイター] - ドイツのハベック経済相は6日、域内から製造拠点が流出すると欧州側が懸念を強めている米国の歳出・歳入法(インフレ抑制法)について、特定分野において妥協の余地があるとし、米国との摩擦解消に楽観的な見方を示した。
バイデン政権が昨年成立させたインフレ抑制法は、エネルギー安全保障と気候変動への対策費として3690億ドルの予算を計上している。大規模な税控除や補助金交付で製造業の脱炭素化を後押しする狙いだが、欧州では関連技術を持つ地元企業が米国に拠点を移すとの不安が広がっている。
米当局者との会談のためにワシントンを訪れているハベック氏は記者団に「欧州産業界がインフレ抑制法から除外されずに参加できるようにするため、合意に達する可能性はまだ十分にある」と語った。
立法手続きは完了しているが、施行に向けた規制面での作業が進行中で、自動車とバッテリー分野ではかなり進んでいるものの、水素や重要鉱物、原材料分野ではまだ進行中だと説明した。
バイデン政権の経済顧問であるブライアン・ディーズ国家経済会議(NEC)委員長はインフレ抑制法について記者団に、世界的に重要な次世代技術のコスト削減が加速すると指摘し、「欧州などの同盟国はインフレ抑制法に不安になる必要はなく、得るものはかなり大きい」と述べた。