[ハノイ 2日 ロイター] - ベトナム国会は2日、新たな国家主席にボー・バン・トゥオン氏(52)を選出した。
ベトナムは党書記長、国家主席、首相、国会議長による集団指導体制をとっており、国家主席は儀礼的な意味合いの強い役職。
同国は反汚職運動を進めており、前任のグエン・スアン・フック国家主席は、部下の「違反と不正」の責任を問われ、1月に辞意を表明していた。
トゥオン氏は、国家主席として初めて国会で演説し「断固として」反汚職運動を続けると表明。「祖国、人民、憲法に絶対に忠誠を誓い、党、国家、人民から割り当てられた職務を履行するよう努力する」と述べた。
トゥオン氏は共産党最高指導部の政治局員の中で最も若く、大学生のころから共産党の青年組織で活動を続けてきた。最高指導者で反汚職を先導するグエン・フー・チョン党書記長に近い人物とみられている。
アナリストや投資家は、トゥオン氏の選出は外交・経済政策の継続を意味すると指摘。ある研究機関の専門家は「ベトナムの外交政策が大きく変わることはないだろう」と述べた。
また ベトナムが拠点のある海外投資家は、前任者の突然の解任で生じた不透明感に終止符が打たれ「安定と予見可能性が復活する」との見方を示した。