[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米ニューヨーク州のマンハッタン地区検察はトランプ前米大統領に対し、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズさんへの口止め料支払いに関わった疑いを巡り起訴される可能性があることを示唆した。米紙ニューヨ-ク・タイムズが9日、関係者の話として報じた。
検察はトランプ氏に対し、マンハッタンの大陪審で来週、証言を行うことができると伝えたという。
トランプ氏の弁護士はロイターに対し、証言を促されたことは事実だと認めた。
トランプ氏が実際に起訴された場合、大統領経験者では初となり、2024年大統領選の共和党候補指名を目指す同氏への逆風が強まることになる。
マンハッタン地区検察のアルビン・ブラッグ検事はトランプ氏に証言の機会を与えた上で起訴する可能性があるが、起訴を見送る可能性もなおある。ブラッグ氏の報道官はコメントを控えた。
マンハッタン地区検察の元検察官、マーク・ショル氏はロイターに、トランプ氏に証言の機会が与えるということは、同氏の犯罪関与について既に証言を大陪審は聞いたのだろうと指摘。トランプ氏が証言台に立つならば大統領特権を放棄して検察側の質問に答える必要があると述べた。
トランプ氏は自身が立ち上げたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿でダニエルズさんとは不倫関係になかったとし、共和党の「群を抜く最有力大統領候補」を排除するための「魔女狩り」だと反発した。
ダニエルズさんはトランプ氏と不倫関係にあったとし、16年の大統領選前に口止め料として13万ドルを受け取ったと主張。トランプ氏は否定し、ダニエルズさんへの支払いについて何も知らないと18年に記者団に述べている。
トランプ氏の顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏はダニエルズさんに加え、トランプ氏との不倫関係を主張した別の女性への口止め料支払いを巡り有罪評決を受けた。