[ムンバイ 6日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は6日、主要政策金利のレポレートを6.5%に据え置いた。世界的な金融不安を受けて成長へのリスクが高まっており、7会合ぶりに現状維持とした。
中銀は状況が許す限りインフレに対して行動する用意があるとし、政策スタンスは引き続き「緩和縮小」に重点を置いていると表明。ダス総裁は、休止の決定は「今回の会合のみ」と述べ、追加利上げを示唆した。ただ、多くのエコノミストは現在、金利が今後据え置かれると予想している。
金融政策委員会を構成する6人5人が据え置きに賛成、1人は反対した。
アナリストの多くは中銀が今回25ベーシスポイント(bp)の利上げを行い、昨年5月に始まった引き締め局面を終了すると予想していた。
コタック・マヒンドラ銀行のチーフエコノミスト、ウパスナ・バードワジ氏は「中銀は長期の休止を維持し、これまでの利上げと世界の不確実性が成長─インフレ動態に与える影響の遅れを評価すると予想している」と述べた。
ダス総裁は声明で「過去12カ月間にわたった中銀措置の影響はまだ現れており、将来のインフレの軌道にますます重くのしかかるだろう」と説明。これまでの措置の累積的な影響を評価することが必要だとし、「極めて慎重に行動する必要がある」とも述べた。
一方、今回は世界のマクロ経済・金融情勢を踏まえて据え置きを決定したが、「われわれの仕事はまだ終わっておらず、インフレとの闘いは続けなければならない」とし、インフレ率を中銀の目標レンジ(2─6%)に低下させる決意を改めて表明した。
2月の消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が6.44%で、1月の6.52%から鈍化した。しかし過去12回のうち10回は中銀の目標(2─6%)を上回った。
格付け会社ICRAのチーフエコノミスト、アディティ・ナイヤル氏は、金融安定への懸念から利上げの一時停止を決めたもようだと述べた。
中銀の予想通りにインフレ率が低下しない場合は利上げ再開があり得るとし、金融情勢が安定すればその可能性が高まると予想した。
バークレイズは、今回のサイクルで追加利上げはないと予想。インド担当チーフエコノミストのラフル・バジョリア氏は「CPIインフレ率が長期にわたって6%を超えるような重大な上振れサプライズがあった場合のみ、追加利上げが正当化されると考えている」と述べた。
予想外の据え置き決定を受けてインド国債利回りは急低下。指標10年債利回りは発表直後に一時7.1469%と、昨年9月15日以来の水準に低下した。発表前は7.2857%だった。
中銀は2023/24年度(4─3月)のインフレ率を5.2%、国内総生産(GDP)伸び率を6.5%と予想した。