[ロンドン 10日 ロイター] - 英国のスナク首相は10日、北アイルランド紛争を終結させた和平合意から25年目を迎えて発表した声明で、和平合意の中心である自治政府による共同統治を復活させるための取り組みを強化する必要があると訴えた。
北アイルランド情勢は、英国の欧州連合(EU)離脱や他の政治的危機を受けて緊迫化。和平合意から25年目を記念する今週の行事に暗雲が垂れ込めている。記念行事には、和平合意に米国が仲介役として果たした役割を反映し、バイデン米大統領も出席する。
スナク氏は声明で「和平合意は英国とアイルランドの政府が手を組んだ成果であり、今週にバイデン大統領をお迎えするように、最も親密な同盟各国からの大きな国際的支援を受け続けている」と強調した。
「だが最も重要なのは、和平が北アイルランド自体の妥協に基づいていることだ」とも指摘。和平合意に際して難しい判断を下し、妥協を受け入れた関係者を祝福すると表明した。
英国のEU離脱後の北アイルランドに英国本土と異なる取り扱いを定めた規則に反発し、民主統一党(DUP)は1年以上前から共同統治への参加を拒否している。
アイルランドのバラッカー首相は9日、北アイルランドにおける政治的膠着状態を解消するためスナク氏との取り組みを強化すると表明した。