[ソウル 17日 ロイター] - 韓国海軍は17日、日米と共同でミサイル防衛訓練を実施した。北朝鮮のミサイルの脅威に対抗するため安全保障協力を強化する。これに対し、北朝鮮側は米国が「核による脅し」を強めていると非難した。
日米韓はワシントンで先週開いた3者協議で、外交・軍事協力を拡大する取り組みの一環としてミサイル防衛や対潜水艦の演習を定期的に行うことで合意した。
17日の訓練は韓国と日本の間の国際水域で実施し、韓国のイージス艦「栗谷李珥」、米国のミサイル駆逐艦「ベンフォールド」、海上自衛隊のイージス艦「あたご」が参加した。
韓国海軍によると、訓練では北朝鮮の弾道ミサイルによる挑発というシナリオで仮想標的を設定し、探知、追跡、情報共有といった対応手順に焦点を当てる。
北朝鮮は新型の固体燃料式大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を先週実施するなど軍事活動を活発化させている。
訓練実施から数時間後、北朝鮮の李炳哲・朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長は、ICBM発射を受けて国連安全保障理事会の会合を要請した米国を批判する声明を発表。
声明では、北朝鮮の兵器開発は米国に対する自衛的な防衛手段であり、米国の軍事訓練は北朝鮮に対する「核の先制攻撃および全面戦争」を想定したものと指摘。米国が地域の緊張を「爆発の寸前まで」高めていると非難した。
また、最近の米戦略爆撃機の配備は「米国の核の脅威とわれわれに対する脅しが看過できないレベルに達していることの明確な証拠」とし、「米国が度重なる警告を無視し、朝鮮半島の安全保障環境を危うくする行動を続けるなら、われわれは必要な措置を講じ、米国はより明確な安全保障上の危機と克服できない脅威を感じるだろう」とした。
トーマスグリーンフィールド米国連大使は17日の安保理会合で「北朝鮮が事態をエスカレートさせる行動を繰り返していることに対するわれわれの合法的な防衛の取り組みは、北朝鮮の違法な行為を決して正当化するものではない」と強調した。
一方、ロシアのネベンジャ国連大使は、この日の会合は「不必要」で「状況を悪化させるだけだ」と主張。中国の張軍国連大使は、朝鮮半島情勢は岐路に立たされているとした上で「米国と同盟国は、挑発的な軍事演習を停止すべきだ」と述べたほか、対話の再開が急務だと強調した。
米韓は17日から12日間の日程で空軍の訓練も行う。また、ソウルでは同日、日韓安全保障対話が5年ぶりに再開された。
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