[17日 ロイター] - 林芳正外相は17日、ウクライナ情勢についてロシア軍の即時かつ無条件の撤退を求めることで主要7カ国(G7)が一致したと述べた。緊張が続く台湾海峡を巡っても、両岸問題の平和的解決の重要性を確認した。
G7外相会合が開かれている長野県軽井沢町で記者団に語った。同会合は16日から3日間の予定で、この日は2日目。
<仏外相も台湾海峡現状尊重と発言>
林外相は「ウクライナの将来を決める交渉にいかに臨むべきか、これはウクライナの人々が決めるべき問題」との考えを述べた。
一方、中国が公表した停戦案については、「全てのロシア軍の撤退が規定されていないのであれば不適切である」としたゼレンスキー・ウクライナ大統領の発言に「留意をする」と語った。
林外相によると、G7外相会合では、東シナ海や南シナ海の情勢に引き続き深刻な懸念を表明することや、一方的な現状変更の試みへの反対、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認した。
林氏は「両岸問題の平和的解決を求めること、北朝鮮の核ミサイル問題や拉致問題に引き続き連携して対応することでも一致した」と話した。
フランスのコロナ外相からは、同国は現状の尊重および台湾海峡の平和と安定の維持に深い思いを持っており、一方的な現状変更に反対し、両岸問題の平和的解決を求めているとの発言があった、という。
台湾を巡っては、マクロン仏大統領が、欧州は対立を激化させることに関心がなく、米中両政府から独立した「第3の極」になるべきだと述べ、中国に配慮し過ぎた発言だとして欧米各国の議員から批判が出ていた。
一方、林外相によると、日米外相会談では、日米の安全保障協力、地域情勢、経済関係等についても意見交換を行った。米国主導の緩やかな経済連携、インド太平洋経済枠組み(IPEF)交渉の進展で協力することで一致した。
(竹本能文)