[香港 17日 ロイター] - カトリック教会香港教区の周守仁司教が17日、北京を訪れた。1997年の中国への返還後、香港教区の司教が北京を訪れるのは初めて。
司教はローマ教皇フランシスコに任命されている。北京訪問は、中国政府が公認する「中国カトリック愛国会」の李山主席による招請で実現した。
中国とバチカン(ローマ教皇庁)は司教の任命権を巡って長年対立しているが、2018年に暫定合意に達し、昨年10月に延長された。
中国本土には1200万人余りのカトリック教徒がいるが、バチカンに忠誠を誓う地下協会と、政府が公認する中国カトリック愛国会の間で分裂が生じている。
周司教は、上級聖職者らを伴った5日間の北京訪問に先立ってロイターに送付した文書で、中国本土の教会と、特にアジアを中心とする海外の教会の間で「交流が促進される」よう希望すると述べた。バチカンからのメッセージを託されたかとの質問には、「これは教区間の交流。中国は国家事案についてバチカンと連絡体制を確立している」と答えた。
バチカン当局者らは、中国の「一国二制度」政策により18年の合意は香港には適用されないとしているが、周司教は、「現時点までは香港における宗教の自由は規制されていない」としながらも、北京訪問で「宗教その他の懸念に言及する可能性がある」と述べていた。