[ワシントン 17日 ロイター] - 有力ユダヤ人団体、名誉毀損防止同盟(ADL)とテルアビブ大学は17日、米国の社会・政治的な土壌が近年、反ユダヤ主義の温床となっているとするリポートを発表した。
リポートは、ユダヤ人への憎悪表現が「主流化かつ常態化している」と指摘。また暴力や器物損壊、ユダヤ人への嫌がらせ(ハラスメント)などの事件が増加していると述べた。
反ユダヤ主義の高まりについては、ポピュリズムの拡大、政治の二極化、全米での憎悪犯罪増加などの傾向と関連付け、極右の片隅に追いやられていた陰謀論や憎悪が右派の「主流派に浸透して」きたと分析した。
また、陰謀論は左派とユダヤ人が白人の民族と文化を非白人移民で置き換える動きを主導しているとの考え方に拍車をかけ、この思想が共和党の一部に拡散しているとした。
さらに、FOXニュースのコメンテーター、タッカー・カールソン氏も陰謀論を支持したと指摘した。同氏は反ユダヤ主義者との見方を否定している。
米共和党全国委員会(RNC)は今年に入り、反ユダヤ主義への非難決議を可決している。