[シンガポール 20日 ロイター] - インドの激しい熱波は経済と農業、公衆衛生に前例のない重荷になっており、気候変動で貧困や格差・疾病の軽減といった長期目標達成が脅かされているとのリポートが発表された。
英ケンブリッジ大学のラミット・デブナス氏率いるチームが発表した報告によると、猛暑による死者は1992年以降、2万4000人を超えている。また、熱波のため大気汚染が悪化し、北部の氷河融解が加速しているという。
リポートは、インドが「複数の累積的な気候危機」に直面しており、昨年は1─10月にほぼ毎日異常気象が発生したと指摘した。
デブナス氏はロイターに、インド政府独自の「気候変動脆弱性指数」は熱波が開発にもたらす影響を過少評価しているとし、「頻発する異常気象に対する脆弱性の測定方法を見つけることが極めて重要」と述べた。
さらに、インド全土の90%が極端な熱波の危険区域にあるとし、「既に軽減に向け多くの対策を講じるとともに、現在は熱波を支援対象災害と見なしているが、対策実行の速度を適正化する必要がある」と述べた。