[ワシントン 9日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は9日、世界保健機関(WHO)が今月21─30日にジュネーブで開く総会に台湾をオブザーバーとして招くよう働きかけていると明らかにした。
台湾を自国の一部と見なす中国は2017年以降、台湾によるWHO総会出席を阻んできた。
ブリンケン長官は声明で、台湾をオブザーバーとして招待すれば、国際保健協力における包摂的アプローチに対するWHOのコミットメントを示す好例になると述べた。
また、台湾の参加に対する支持は米国の「一つの中国」政策と整合するとした。
台湾外交部(外務省)は米国による支持に謝意を示した上で、台湾を排除するのは「完全に不合理」で、世界の保健協力に悪影響を及ぼすと述べた。
中国外務省の汪文斌報道官は10日に定例会見で、米国のコメントは人々を混乱させているとし、WHO総会を利用して台湾問題を「誇張」しないよう求めた。
「WHOを含む国際機関の活動への台湾の参加は『一つの中国』の原則に従って処理されなければならない」と述べた。
「われわれは一つの中国の原則と3つの中米共同コミュニケの規定を順守するよう米側に改めて求める」とし、「台湾独立」を支持しないとする米指導者の約束を履行するよう促した。