[ブラジリア 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は12日、南米南部共同市場(メルコスル)との自由貿易協定(FTA)について、遅くとも年内には締結させたい考えを示した。
フォンデアライエン氏はこの日、ブラジルのルラ大統領と会談した。ルラ氏は共同会見で、EUがメルコスルとのFTAに加えた条件を批判。EUとメルコスルは2019年にFTAで合意したが、EUが熱帯雨林アマゾンの森林伐採に懸念を示したことなどから進展していない。
ルラ氏は、EUの条件には順守できなければ制裁につながりかねない義務が含まれているとし、「パートナー間の前提は不信感ではなく相互間の信頼であるべきだ」と述べた。
EUは協定に気候変動に関する誓約を追加することを提案しており、メルコスルの返答を待っている。
フォンデアライエン氏は、産業界幹部や外交関係者に行った講演で、「われわれは20年も貿易協定について議論してきた。今ようやくゴール地点に近づいた」とし、ルラ氏と共に「できるだけ早期に、遅くとも今年中に」協定を締結することを目指していると説明した。
メルコスルには、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイが参加している。