[ワシントン 13日 ロイター] - 中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)の議長を務める共和党のクリス・スミス下院議員は13日、中国が北朝鮮の脱北者を強制送還する準備を進めている可能性があると指摘し、強制送還の中止を働きかけるよう国連に要請した。
スミス氏は公聴会で、北朝鮮が新型コロナウイルスの流行で閉鎖していた国境を再開する中、強制送還が差し迫っていると「信じる十分な根拠」があると指摘。少なくとも約2000人の脱北者が強制送還され、「送還後に深刻な人権侵害を受ける」可能性があるとの報告書に言及した。
同氏は、中国での脱北者の窮状に対する「深い懸念」を4月の会合で国連のグテレス事務総長と共有したとし、「中国政府に強制送還をやめさせるよう最大限の影響力を行使することをグテレス事務総長に改めて要請する」と発言。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ高等弁務官にも積極的な役割を果たすよう求めた。
韓国紙コリア・タイムズや米紙ワシントン・ポストによると、北朝鮮の人権問題を担当する国連のサルモン特別報告者は、最大2000人の脱北者が中国で拘束されており、送還される可能性があるとの情報を昨年入手したと明らかにしている。