[バンコク 19日 ロイター] - タイ政府は19日、ミャンマー軍事政権への再関与を目指す東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会合を開催した。関係筋によると、ミャンマー軍事政権のタンスエ外相も参加。一方で、ASEAN主要国は出席を辞退した。
ASEANはミャンマー軍が2021年にクーデターで政権を奪取して以降、同国軍関係者をハイレベル会合から排除しており、今回の会合を巡っては、ASEANの結束を乱すとの批判が出ている。
ロイターが入手した招待状によると、タイ政府はASEANに対し「首脳レベルでミャンマーと再び全面的に関与する」案を協議することを提案。
タイのドーン外相は国内放送局PBSとのインタビューで、ミャンマー危機を受けて難民が流入しており、貿易にも多大な影響が出ているとし、「長期化すればタイが最も悪影響を受ける。タイはASEANで唯一、この問題をできる限り早期に解決したいと考えている」と述べた。
自身もクーデターの主導者だったタイのプラユット首相は、記者団に「タイは3000キロ以上の陸上国境と海上国境を共有しているため他の国よりも苦労している」と述べ、自国を守るには直接協議が必要だと訴えた。
関係筋によると、ASEAN議長国インドネシアのルトノ外相は書簡で「ミャンマー問題への再関与や新たなアプローチの策定で総意を形成できなかった」とし、今回の会合への出席を見送った。
このほか、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、カンボジアも外相は出席せず、一部の国は外相よりも下位の代表を派遣。ミャンマーと開催国のタイ以外では、ラオスが外交トップを派遣した唯一の国だったという。