[ブラジリア 29日 ロイター] - ブラジルのボルソナロ前大統領が、昨年の大統領選に絡んで権力を乱用したかどうかを巡る裁判で29日、高等選挙裁判所(TSE)の判事7人中3人が有罪判決を支持する投票を行った。あと1人の判事が同様の投票をすれば、過半数の支持によって有罪判決が下され、ボルソナロ氏は2030年まで公的ポストへの立候補を禁じられる可能性がある。
これまで3人が有罪、1人が無罪に投票しており、残る3人の判事は30日に投票を行う。
裁判では、ボルソナロ氏が大統領選に先立ち、権力を乱用して大使らを召喚し、ブラジルの投票制度について根拠のない主張をしたかどうかが焦点。
ボルソナロ氏は29日にリオデジャネイロの空港に到着し、「犯罪者」、「クーデター屋」などの野次に迎えられた。同氏はTSEの裁判について、政治的な「魔女狩り」だと主張している。
大統領選に敗れたボルソナロ氏は、選挙結果を覆すために支持者による国会や大統領府への襲撃を扇動した疑いでも捜査を受けている。