[リオデジャネイロ 30日 ロイター] - ブラジルのボルソナロ前大統領(68)は30日、昨年の大統領選に絡み権力を乱用したかどうかを巡る裁判で高等選挙裁判所(TSE)から2030年まで公職に就くことを禁じる判決を言い渡され、再選の望みが絶たれたかに見える。しかし妻のミシェリ氏(41)が26年の次期大統領選への出馬を示唆し注目の的となっているほか、過去の結婚で設けた息子2人も連邦議会議員の職にあり、ボルソナロ一族が再び大統領を排出する可能性が消えたわけではない。
ボルソナロ氏は29日、「もちろん次期大統領選でミシェリ候補を支持する」と発言。ミシェリ氏も30日の裁判所判決直後、インスタグラムに「私たちの夢がこれほど勢いづいたことはない。私はあなたの指揮下にあります。私のキャプテン」と投稿した。
ボルソナロ氏は過去に、「試合を降りたら」政界のキングメーカーになると示唆している。ただ、かつての側近の多くはボルソナロ氏から離反しており、親族を通じて影響力を維持する公算が最も大きい。
ミシェリ氏は政治に関わった経験がないが、気取らない振る舞いや伝統的な価値を重んじる姿勢によって労働者クラスの女性から支持を集めている。22年の大統領選でもボルソナロ氏が女性有権者からの支持獲得に苦戦する中で徐々に存在感を高めた。
息子のフラビオ・ボルソナロ氏(42)はボルソナロ氏の大統領在任中に陰で父親を支えた。もう1人の息子のエドゥアルド・ボルソナロ氏(38)は米国の銃器展示会や保守派の会議に出席するなど、ボルソナロ一族の対外的な「顔」の役割を担っている。
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